天使の翼　神楽篇

2.運命の人？

「さいてー」
　ベッドで横になって、あたしはそう呟いた。鍵はきちんとかけた。いつあいつらが襲ってくるかわかったもんじゃないもんね。
　お母さんがあれだけ強く出た理由を、あたしは思い出した。カルチャースクールの講師に、お母さんはすごく惚れ込んでて、その人は大学教授で、その片手間にカルチャースクールで古典を教えてるって言ってた。その講師がカガリ先生だったこと。つまりはあいつらの父親ってわけ。
　カエルの子はカエル。やっぱり神楽の父親だけある。あたしのお母さんを手玉に取るなんて。
　どうりでお母さんがいつもと違うと思ったのよね。突然下宿とか言い出すし、面接も今日とか言って、きっと全部計画済みだったんだ…。
「絶対に追い出してやる…」
　あいつらが居候するのは、火狩先生がアメリカから戻ってくる3ヶ月後まで。あたしは決意を口にして、二階をにらみつけた。



　ベッドに横になっていると、不思議と今日のことを思い出してしまう。あたしは振られたことよりも、もちろんあいつらの居候のことよりも、映画の後、絵梨とお茶してた時のことを思い出していた。
「だけど、どうして斎藤君とつきあうことにしたの？紗那は」
　斎藤君とは、今日あたしをふった男のこと。
「だって、あたしのこと好きだって言ってくれたし、まあかっこよかったし、他に付き合ってる人も好きな人もいなかったから。
　でもね、あたしは確信した。男は顔じゃないのよ、性格よっ。顔だけじゃ、神楽たちみたいなロクな男がいないっ」
　すると絵梨はクスクス笑った。
「認めるんだ。火狩三兄弟がかっこいいこと」
「そりゃ、かっこ悪いとは言わないけど、でもあたしは絶対にファンにもならないっ」
　絵梨は苦い顔をした。ちなみに絵梨は蘇王のファン。
「いったい紗那の理想ってどんな人なわけ？」
　うーんと考えて、あたしは答えた。
「まあ背は高いでしょ？スポーツもできて、見た目は細いんだけど実は結構胸板とか厚くってさ、あたしが落ち込んでるときなんかは冗談いって励ましてくれて、明るくって元気溌剌…」
「それって蘇王くんじゃない？」
「あんなバカじゃないのっ。頭もいいのよ。あたしが分からないこと全部答えてくれるの。インテリっていうのかな。そういうの頼り甲斐があるっていうか、大人じゃない。しかも必要以外なときは、自分の強さを見せたりしないの。それからいつも落ち着いてて」
「それじゃ千寿君だよ」
「あんな冷血男じゃないのっ。優しさ溢れる人よ。こう、転びそうになったら、ぱっと手を出して助けてくれそうな」
「神楽君」
　あたしを指した絵梨の手を、あたしは軽く払った。
「…あいつらと何でもかんでも結び付けないでくれる？絵梨。神楽みたいに女の子にだけ優しいんじゃなくて、人に優しい人よっ。だいたい他に何人も女がいるような、けじめのない男はあたしは一番嫌いなのっ」
　すると絵梨は、今日で累計３４回目の溜息をついた。
「…紗那、一つ言ってもいい？」
「何？」
「そんな人、この世にいないわよっ」
　そうなのかな。
　あたしは、そうは思わない。絶対にいるって信じてる。あたしの運命の人。斎藤君や、その前につきあてた人たちは、そのたった一人の人に出会うまでの練習なんだと思ってる。一目見ただけでビビッとくる人。
　ピピッ？
　確かにそんな機械音が、あたしの耳に聞こえてきた。周りを見回すと、そこには神楽たちあの3人が立っている。
　ピピッ。
　音が一段と大きくなった。3人はあたしのことをじっと見詰めている。
　この中に運命の人がいるっていうわけ？嘘よっ。
　ピピッ、ピピッ。
　3人はあたしににじりよってくる。音はどんどん大きくなる。
　やめてっ、助けてよっ。来ないでよっ。
「やめっ…っ…たぁ…」
　気がつけば、ベッドから落ちていた。目覚し時計のアラームがピピッと鳴っている。
　夢か、よかったぁ。
　そうか、いつのまにか寝ちゃってたんだ。
「ふう…」
　改めて時計を見ると、いつもと時間が一時間違う。
　うっそぉ。
　そういえば、昨日は怒りに任せて適当にアラーム決めたんだった。
「お母さんっ？ねえ、どうして起こしてくれなかったの？」
　急いで着替えて、ダイニングに叫びながら入ると、そこには誰もいない。キッチンをのぞいても、お母さんはいない。
「おばさんはもう出かけたぜ。お前も早くメシ食えよ」
　そこに顔を出したのは神楽だった。
　ちょっとっ、なんであんたがここにいるの？あんたの家は二階でしょうがっ。
　あたしは急いで、髪を撫で付けた。神楽はそんなっことは気にしてないみたいで、きょろきょろしながら言った。
「洗濯モン、頼みに来た」
　パンツ振りまわすなってのっ。
　洗濯物は、洗面所のかごっ。つーか、勝手に入れないでよっ。
「そんなことよりお前、時間はいいのかよ」
　あっ、そうだったっ。
　あたしは神楽を押しのけて、洗面所に向かった。
「ちっ、遅刻するー」


「なんであんたがいるのよ」
「蘇王は朝練、千寿は日直でもう学校にいっちまったんだ。オレがまだ道覚えてねぇのによ」
　ったく物覚え悪いんだから。
「んだとぉ？」
　あたしと神楽は口げんかしながらバスを待っていた。いつもはバスなんか使わないんだけど、今日は遅刻ぎりぎりだから。きっと今、ここでバスを待ってる人はみんな同じ事情をかかえている。だからバス停はすっごく人が並んでいた。
　なんでよりによって、朝っぱらから神楽と一緒に登校しなきゃなんないの？
　遅れ気味のバスがやってきて、あたしたちは乗りこんだ。バスはとにかくすごく混んでいて、中の空気も淀んでいるのか、なんだか気分が悪くなりそうだっ た。神楽から離れたかったんだけど、乗れるだけでもありがたい雰囲気があって、結局あたしは神楽と向かい合うかたちでなんとかバスは出発した。
「ちょっと、くっつかないでよねっ」
「混んでんだから、しゃーねぇだろ」
　神楽の制服のボタンが頬に当って痛い。なんだか神楽の体温を感じて、あたしは自分が神楽の胸の中にいる格好になっていることに気付いてドキッとした。
　結構、胸板厚いんだ。
「あれ？ない、財布…。わたしの財布…」
　その時、神楽の背中に一人挟んで、席に座っていた30過ぎのサラリーマンらしき人が、そう言って自分のスーツや鞄の中を捜し始めた。
　財布、忘れちゃったのかな。
　あたしが顔を覗き込もうとすると、神楽が言った。
「スられたんだ」
「え？」
　顔を上げると、神楽はあたしの耳元で声を潜めて言った。
「オレの後ろのガキの鞄見てみろ。不釣合いな、でかい黒の財布見えてるだろ？そのサラリーマン、さっきまで熟睡してたんだ。スーツのポケットに財布の顔のぞかせてな。さっき揺れたとき、あのガキわざとサラリーマンの方に倒れたふりしてスッたんだ」
　そんな…。
　サラリーマンは必死になって混み合うバスの中を屈んで床を見たりしてる。その横で小学生はただうつむいてるだけ。
　なんとかしてよ。
「何とかって、何だよ。ガキがスッったって、リーマンに言ってやれってのか？そんなことして、後が面倒だろ？」
　わかった、あんたが言わないんならあたしがっ。
　そう言って、開けようとしたあたしの口を神楽は抑えると、
「わーったよ」
といって、ちょっとだけ屈んだ。
　何してんだろ？と思うと、ちょとして起き上がった神楽は、上半身だけ振りかえって、サラリーマンに声を掛けた。
「これ、落ちてたぜ」
　小学生の鞄にあった財布は、いつのまにか神楽の手から、サラリーマンに渡っていた。小学生が驚いて自分の鞄をのぞいているのがあたしには見えた。
「すみません」
　サラリーマンの人はそう言って、しっかり胸ポケットに財布をしまうと、また寝はじめた。
「何をどうしたの？」
　あたしが聞くと、神楽はあたしに向き直って言った。
「ガキの鞄から財布スッたんだ。スッたものをスられても文句言えないだろ？どうせあのガキもただの好奇心からやっただけだろうし。これで文句ねぇだろ？」
　そういって、神楽は何もなかったような顔をした。
　文句ないって…。
　その時バスが大きく左に揺れて、完全に神楽にあたしは体重を任せた。神楽の体温を感じて、またあたしはどきっとして、顔が熱くなった。
　やっ、やだっ。
　なんであたしが神楽なんかにどきっとするのよっ。
　そうよ、文句なんてね、やまほどあるわよ。悪いことをしたって小学生に説教してやらなきゃいけないでしょっ。
　見上げるとすぐ上に少し苦しそうな神楽の顔がある。
　確かに、かっこ悪いとは思わないし、皆が騒ぐのもすこぉーしはわかるけど…。
　あたしの見上げる視線に神楽は気付いたようだった。
「なんだよ」
「何でもないわよっ」
　怒ったようにいうと、ピピッという音がして、あたしはびくっとした。
　まさか、神楽が運命の人…？
「何だよ」
　すぐ近くで、うちの制服を着た男の子が、目の覚めるような青い時計を見て、時間を確認してるのが見えた。
　なんだ、時計か。ふう、驚いた。
　その時、あたしは誰かがおしりに触ってることに気付いた。
　痴漢！！
　神楽を見れば、ガムをくちゃくちゃと噛んで、遠くを見ている。
　こいつだっ。
「すけべっ」
　耳元に小声で言うと、神楽はあたしをにらんだ。
「何だよ」
「言ってることとやってることが大きく違うじゃないのよっ」
「だから何だよ」
　えーい、どこまでも白を切るつもりねっ。
「触んないでよ」
「何言ってんだ？」
「あんた今、人のおしり触ってるくせに」
　すると神楽はガムを噛むのを止めて、まずつり革の上の鉄の棒を掴んでいた手を離した。
「いいか、これがオレの右手」
　わかってるわよ、そんなの。
「でもって、左手は鞄を持ってるはずだよな」
　ええ、そうよっ。
「オレは3本も手はねぇよっ」
　あったり前のこといわな…。
「え？」
　神楽は溜息をつくと、イライラしながら言った。
「つーわけで、オレはお前のケツなんか触ってねぇよっ」
　じゃあ、誰が…。
　その時、あたしは後ろから漂う、あのオヤジ特有の匂いをキャッチした。神楽は舌打ちすると、バスに響く大声で言った。
「そこのオヤジッ、てめぇだよ、そこのハゲッ。こいつのケツ触ってんじゃねぇよ」
バスの中が神楽の声でざわめき出した。
「わ、わたしは別にしてませんよ、そんなこと…」
　なんですってぇっ！
「きゃー、痴漢よっ」
　あたしのぶりっこした声がさらに響き、バスが止まった。バス停だ。その中を痴漢オヤジはそそくさと逃げるようにバスを降りた。
　ああ、助かった。
「てめぇは人を勝手に痴漢扱いすんなっつーの」
　神楽にこづかれて、あたしは思わず口答えする。
「あんたが痴漢しそうな顔してるからいけないのよっ。やっぱりあたし、お母さんにあんたたちの居候のこと断るよう…っ」
　動き出したバスが、再び大きく左に揺れて、あたしは思いきり神楽に抱きついてしまった。
　ふう。危ない、危ない。
　安心して溜息をつくと、上からからかうような神楽の声。
「抱きついてんじゃねぇよ」
　そしてにやっと笑ってる。
　むっむかつくぅっ！
　あたし、絶対絶対あんたたちを追い出してやるんだからっ。
　神楽をぐっとにらんでいると、また大きくバスが揺れた。今度は右で、つかまっていた神楽から離れたあたしは、後ろの人にぶつかってしまった。
　だって、あんな風に言われたら、意地でもつかみたくないもん。
「ごめんなさい…」
　しおらしく謝ると、その男の子は軽く笑顔で答えてくれた。
　なんだかジャニーズジュニアにいそうな感じで、なかなか格好良し。どっかで見たことあるけど、まあ、うちの制服着てるし、どっかですれ違ったんでしょ。
「ばぁか。しっかりつかまってないからだ」
　ムッ、いちいちうるさい男ね、神楽。
　あたしは無理やり神楽に背中をむけた。でもすぐに元に戻るしかなかった。だって、みんなが狭いんだってあたしのことにらむんだもん…。
「なぁ」
　ふいに神楽が言った。
「何かおかしくないか？このバス」
　いつもより何倍も早いスピードで、バスは広くはない道を走っていく。その時誰かが言った。
「あの、運転手さん。バス停過ぎてるんですけど」
　降りますランプが点いているのに，バスはスピードを落とすどころか、どんどん加速してく。神楽が高い背を利用して、運転手さんに話しかける。
「バス停過ぎてるってさ。止めてくれよ」
　でも、その顔がかすかにひきつった。
「どうかした？」
　あたしがそう聞くと、運転手さんが答える。
「止まらないんですっ。止まれないんです、壊れたんです、ブレーキが…、ブレーキが効かないんですっ」
　嘘でしょっ？
　と、突然バスは左に大きく揺れる。女の人の悲鳴が上がる。そのままバスは、何かに操られてるように、右に左に大きく揺れる。あたしは必死になって、神楽にしがみついていた。
　だって、つかまるものがコレしかないんだもんっ。
　スピードもどんどん加速していく。バスはついに反対車線も走り始めた。誰かがまた悲鳴を上げた。
「こっ子供がっ」
　バスの目の前には、横断歩道をゆっくり渡る園児の列。
　危ないっ。
　ブーッという耳障りなクラクションが響いていた。その時バスが、グラッと揺れたかと思うと、ふわっと体が浮いた気がして、それからすぐにガタンと大きな音 がして、バスは止まって上下に揺れていた。何人か倒れてしまった人もいたけど、あたしは神楽のおかげで助かった。慌てて、前を向くと、そこに園児たちはい ない。
　どういうこと？まさかみんな、跳ね飛ばしちゃったの？
　バスがざわめいたとき、一番後ろの席の人が言った。
「うっ…うしろっ」
　何故だかわかんないけど、前だったはすの横断歩道は、バスの後ろにあって、園児たちは何もなかったのように歌を歌いながら渡っている。
　バスが、飛んだの？…まさか、ね。
　でも、よかった…。
「…ふう」
　神楽のついた溜息が、あたしの髪にかかった。見上げた神楽の顔は、何故か汗でびっしょりだった。そしてつかまっている手からは、不思議な熱が伝わってきた。


　それにしても、変なバスだった。
　スリに痴漢に、暴走。
　やっぱり神楽がいると、いいことないのね。
　バス停に着いた時には、もう一時間目は始まっていた。一緒に降りたうちの生徒は、急いで校門に向かって走り出している。さっきのスリにあったサラリーマンも、同じバス停で降りて、走り出していた。だけど、神楽だけはのんびりと歩いている。
「走んなくていいの？」
　あたしがそう聞くと、神楽はとぼけた顔をして答える。
「だって、急いだって遅刻は遅刻だろ？だったら歩いたって変わんねぇよ」
「火狩っ」
　神楽は突然名前を呼ばれて振りかえると、そこにはバスから降りてくる松野先生がいた。松野先生は英語の先生で、かっこよくて若くて、人気もある先生。
「そんな屁理屈いってないでお前も走れ」
「チェッ、何だよ。先公が遅刻かよ」
　松野先生は、一瞬言葉に駒って黙り込んだが、神楽に言い返した。
「それじゃ、お前たちが俺より先に教室についたら、お前たちの遅刻は無しにしてやる。確か一限目はお前たちのクラスだったな」
　ほっほんと？先生？
　瞳を輝かせたあたしに、神楽が言った。
「ばっからし…。遅刻くら」
　えーい、いいから走れっ。



「ねえ、紗那。今日の遅刻のいいわけ、ちょっと出来すぎなんじゃない？もっとましな嘘つかなきゃ」
　ランチタイムになって、絵梨があたしにそう言った。
　違うのよ、本当に突然バスが暴走したんだってばっ。なのに酷いよね、石田の奴。遅刻だってさ。
　松野先生は確かに、先生より先に教室についたあたしと神楽を遅刻じゃなくしてくれようとしたんだけど、ホームルームですでに遅刻と書かれていて、どうしようもなかったの。
　お弁当を開くと、絵梨は妙に中身をじーっと見つめた。そして言った。
「ねぇ、紗那のお弁当と蘇王君のお弁当。中身同じ？」
　その一言で、あたしの周りに女の子が一気に集まる。
「ほんとだっ。のりべんに、からあげ、おひたしに、肉じゃが。卵焼き。デザートのウサギ林檎まで一緒」
「千寿君と神楽君も一緒よ」
　うわー、お母さんのバカっ。全く一緒のお弁当にしないでよっ。
「ねえ、どういうこと？」
「それは…」
　答えに困ってると、代わって蘇王が答える。
「俺たちさ、紗那の家にいそ…」
　ちょっと待ったぁっ！
「いそっ…いそ、磯の香のするおいしい海苔っ。うんっ。デリシャス！」
　みんなの視線が、はぁ？という顔でこっちを向いた。
　よしっ。
「実はね、お母さんが通ってるカルチャースクールの講師が、3人のお父さんで、そのカルチャースクールでお弁当の講座やってるんだけど、どうもうちのお母 さん、男の子にお弁当食べてもらいたいって、まあ変なこと言い出してさ、お兄ちゃんが遠く仙台にいっちゃったことが寂しいみたいで、お父さんも単身赴任し てるから、男の人の食欲に飢えてるんだろうけど、全く年甲斐もなく恥ずかしい親よね、それで先生にその話をしてたらうちには3人もいて大変だって話になっ て、それでじゃあお弁当差し上げますわ、みたいなことになって、子供同士が同じ学校の同じクラスだし、丁度いいじゃないですか…なんてことで、あたしは迷 惑だって言ったんだけど、お弁当４つも持たされて重かったわよ、すっごくね、でも持ってきて渡したってわけ」
　ああ、疲れた。一気に話したから。
「ふーん」
　みんな頷いてる？納得してくれた？
「うん…。そっか。へぇー」
　絵梨も頷いて、あたしはほっとした。女の子達はすぐに自分たちの席に戻っていった。
　ふう、助かった。
　もしあいつらが、あたしの家に居候してるなんて言ったら、それこそ大変なことになって、あたしってば女の子からつるし上げられそうだもん。
　ごめんね、絵梨。そんなわけでこれだけは、あんたにも内緒にさせてもらうわ。
　そんなあたしを見て、神楽がククッと笑ってるのが見えた。
　明日、あいつのお弁当には、毒でも盛ってやる。